真鍮ピンの腐食破断について
2024.03.12 技術昨今、真鍮ピンに腐食が発生することがございます。
腐食破断原因としては、応力腐食割れという腐食であるケースが全てを占めております。腐食のメカニズムは未だ、明確な解明に至っておりませんが、水分が大きく関係していると考えられております。
応力腐食割れについて
応力腐食割れは、「材質」、「応力」、「環境」の3種類の要因が原因で発生する腐食です。この腐食は予測が難しく、検出が困難であるため、産業分野では重要な課題となっています。三つの要因について下に簡単にまとめます。
材質 | 応力腐食割れは、「銅合金」、「ステンレス」などの合金系の金属に発生するものが多いと考えられております。弊社では、真鍮ピンが「銅合金」に該当いたします。また、ステンレスピンなどもございますが、今のところ応力腐食割れによる破断を確認したことはございません。 |
応力 | 金属の応力とは、金属が加工や変形された結果として生じる内部的な力のことです。スピンドルピンでは、プレートとピンのカシメ部位、折り曲げ部位などに生じます。 |
環境 | 応力腐食割れを起こす環境要因はいくつか知られております。真鍮の応力腐食割れをおこす環境として判明しているものは以下の通りです。 ●アンモニア、アミン化合物 ●海水、淡水 ●二酸化硫黄、亜硫酸ガス |
基本的には、水分と上記環境要因が結びついて、応力腐食割れを進行させると考えられております。
弊社では、アンモニアによる暴露試験をおこなっており、真鍮ピンの腐食破断が発生した時点でも、耐蝕アルミピン、ステンレスピン、銅ピンなどに破断が発生していないことを確認しております。また、現在まで応力腐食割れによる破断が、真鍮ピンを除いた製品に発生した事例を確認したことはございません。
● スピンドルピンとアンモニア環境下における腐食テスト(プレテスト)について
近年増えてきた理由
応力腐食割れは水分の介在が、大きな原因として考えられております。
近年地球の気候変動により、高温高湿度になりやすく、結露の発生など過酷な環境が発生しやすくなっていることから、真鍮ピンの腐食が増えてきているのではないかと考えております。
対策
応力腐食割れについては、まだわからないことも多く、予防措置としておこなえることが限られておりますが、材質の変更が必要だと思われます。
耐蝕アルミピン |
銅ピン |
ステンレスピン |
ダンネツピン |
など上記製品は、長い販売実績のなかでも応力腐食割れによる破断事例を確認したことがございません。
また、結露を根本から防ぐという観念から、ダンネツピンの使用についても検討をお願いいたします。製品詳細ページに結露試験の資料もございます。ぜひ、ご覧ください。
弊社では、真鍮ピンにつきまして、完全受注生産への切り替えをすすめております。代替品の使用の検討をお願いいたします。
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