疲労破壊について
2024.07.20 技術振動などにより、スピンドルピンのピン部に繰り返し応力がかかることで、破断する事例がございます。
そういった破断は、金属疲労によるものと考えられます。金属疲労は、通常の引張強度などと比べて弱い力でも長い時間連続でかかり続けることで破断する現象のことです。
アルミ合金
アルミ合金A5052の場合、疲労限度は存在しないという説がございます。疲労限度が存在しないとは、どんなに小さい負荷であったとしても、負荷のかかる回数によっては破断する可能性があるということになります。
目安としては、1.6φのアルミ合金5000番系において、190N程度の負荷が10,000,000回(一千万回)程度かかると疲労破壊を起こす可能性があります。※1 負荷回数が増えれば、それ以下の負荷でも破断しますし、負荷が強ければ、もっと少ない回数で疲労破壊をおこします。
銅
銅についても疲労限度が存在しないという説があります。明確な数値が現状ないため、仮定になりますが、純銅(1.6φ)の場合、240N程度の負荷が一千万回加わると疲労破壊を起こす可能性があります。
ステンレス
ステンレスについても疲労限度が存在しないといわれております。一般的な数値をもとに計算すると、SUS304(1.6φ)の場合、364N程度の力が一千万回加わると破断する可能性があるとなります。
参考文献
・布 村 成 具.1978.「アルミニウムおよびアルミニウム合金の疲労」.軽金属 28巻11号 p. 566-574
※1 アルミピンに使用している線材の規定された最も低い引張強度が、341.6N(1.6φの時)であり、それに対して一千万回の負荷回数時の疲労限度強度をもとめる比率(0.57)を乗じて計算しました。試験データによりばらつきがあるため必ずしも正しいとは言えない可能性があります。
一覧へ戻る